13皆さんは、「情動調律」という言葉を聞いたことがありますか?コミュニケーション用語として「情動調律」を調べると、「相手の行動や状況から相手の感情を推察し、その感情に対して反応する行動を情動調律という」とありました。
例えば、親友が大切な指輪を落としてしまった場面を思い浮かべてみてください。
あなたは親友と一緒に指輪を探しています。その指輪がやっと見つかった時、あなたは相手の喜びを推察し「よかったね!ほんとによかったね!」と満面の笑みで言ったとします。これが情動調律なのです。
発達心理学において、親が乳幼児に対して積極的に情動調律を行うことで、子どもの自己肯定感が高まり、コミュニケーション能力の発達が促されると考えられています。
子どもの気持ちを理屈で理解しようとするのではなく、子どもの感情に沿うような感覚的なコミュニケーションです。私が幼い頃、近所のおばちゃんたちが赤ちゃんをあやす光景をよく目にしていたものですが、最近はあまり見かけなくなりました。赤ちゃんをあやす時、それは自分の感情を赤ちゃんにチューニングしている、まさに情動調律そのものだと思います。
子どもも大人も、自分が大喜びしたり、怒ったりした時、感情をそのまま相手に受け取ってもらえると心が癒されます。一方、自分自身の自然な感情を、周りの空気で抑えられたように感じる時は心が重くなります。そしてこのような状態が続けば、大人でもメンタル不調が起こりやすくなります。
皆さんもきっと経験がおありだと思いますが、カウンセリングマインドをもって相手の感情を感じとろうとすれば、相手もそれに応えてくれることがあります。このような深い相互理解を深めることを、私たちは「タッチ・コミュニケーション🄬」という言葉で表現しています。NPO法人日本タッチ・コミュニケーション協会は、情動調律のトレーニングを親子で行っていただけるようセミナーを開催しています。セミナーでは子どもと親、双方の立場がOK-OKになるような支援を行っておりますので、ぜひご参加ください。
2010年01月25日更新
NPO法人 日本タッチ・コミュニケーション協会
宇治木敏子