つい思ってしまう「早く寝て欲しい

今日は『あなたも子どもも心と体が楽になる特別なマッサージ方法を習得してみませんか?』(コラムあんしんの場2008/8号)というテーマでの続きです。前号では疲労が溜まっていて「早く寝て欲しいマッサージ」をつい行ってしまったお母さんのケースと、5分だけと、思って家事や雑念を払って精神集中をして「大切に思ってるよマッサージ」を行ったケースのそれぞれの結果の対比をしたお話でしたね。

私たちが共感するのは、前者ですね。育児経験がある方なら、どなたでも疲れているお母さんの気持ちはとてもよく分かりますね。
しかし、結果のちがいは明白でした。後者のお母さんは、赤ちゃんが寝ても寝なくてもマッサージの結果が問題ではなく、赤ちゃんのことに意識を集中していたら、慈しみの気持ちが湧いてきたということでした。心理学的には、無条件の身体的、精神的なプラスのストロークですから、赤ちゃんの心にも体にもしっかり愛情補給でき、赤ちゃんからは喜びの反応が起こります。それはお母さんにとっても嬉しいことですから、お母さんもどんどんリラックスしていきます。
前者の赤ちゃんは思うようには寝てくれませんでした。それは何故か?
「早く寝て欲しい」という気持ちは、私たち世話をする側には共感できるのですが、心理学的には「条件付きの身体的、精神的なストローク」で、子どもが早く寝ることを期待したマッサージです。ヨーガ的な考え方で解説すると「結果を期待して行為を行う時、人は心身ともに緊張します。」緊張しているお母さんは自然体でマッサージができません。その緊張は赤ちゃんにも伝わり、結局泣き出してしまうという結果になってしまったのですね。お母さんの疲労は心身ともに一層重なり、悪循環です。
育児を経験した方ならどなたでも、前者のお母さんの気持ちが痛いほどよく分かるはずです。だからこそ、お母さんもOK、赤ちゃんもOKになるような結果が導き出せる意識の持ち方をトレーニングしてみましょう。私たちNPO日本タッチ・コミュニケーション協会では、効率のよいタッチングの方法を実践できるようセミナーを開催しています。目には見えないけれど大切なもの「タッチ・コミュニケーション🄬」は「子どもの一生に大きなプレゼント」になります。ぜひお気軽に体験してみてください。

2008年9月25日更新
NPO法人 日本タッチ・コミュニケーション協会
宇治木敏子

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