やさしい心の社会を目指して

今、社会で起こっている様々な問題は、ものごとの価値が目に見えるものだけに特化して合理性と効率性を追求してきた結果ではないか、と私は考えるようになりました。
「心ここにあらず」「心のこもっていない行為」であっても、目に見える結果に達していれば、それを良しとする傾向があります。

しかし、私はインド哲学・ヨーガ・アーユルヴェーダを学ぶ機会を得、そのことに疑問を持つようになりました。
目には見えない心の力は、目に見えるものより大きくて、強い、ということを、水の分子で学びました。蒸気機関車は氷という固体や、水という液体の力では動きませんが、目に見えない気体の力でなら動かせます。私たち人間も、驚き、感動、発想、という心が動くことで、気力が充実し、心が体中に生気を満たしてくれます。その目に見えない力が蒸気となって機関車のような重たい車体を動かすことができるように、私たちの身体をスムーズに動かすのです。
ヨーガでは、心と生気と体を統一して行為を行う事が求められます。その行為の行い方を、生活の中に活かすことを「カルマヨーガ」と言います。
私は、「カルマヨーガ」を長年研究して参りましたが、その理論の合理的、かつ効率の良さに、いつも驚かされます。
NPOの目的は、社会課題を解決するミッションを達成することです。NPOの原動力は、一人一人の心の意欲、まさにモチベーションの集まりです。だから、周りへの影響力も大きく、達成する力も強いのだと思います。
21世紀は「心の時代」と言われていますが、これから情報化は益々激しくなり、社会は激変していくのでしょう。ストレスは止まるところを知らず、これからを不安に思う人は多いと思います。
これからの未来に向けて、社会が目に見えない心の力といかに調和して、真に合理性と効率性を追求できるか、これから将来を担う今の子どもたちに期待がかかるところです。
そして私たち自身のためにも、これからの新しい命のためにも「やさしい心の社会」を目指していきたいものです。

2010年07月25日更新
NPO法人 日本タッチ・コミュニケーション協会
宇治木敏子

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