たとえば、私たちが赤ちゃんの立場で、ベビーマッサージを行ってもらうとしたら、どのような気持ちでお母さんにマッサージして欲しいと思うでしょうか。
「大好きだよ」と心をこめて撫でてもらうのと、「早く、寝てよ」とイライラしながら撫でられるのでは、同じマッサージのストロークであっても、心に伝わる何かが違います。
皮膚感覚から心が感じる感覚は、相手の心理状態まで受け取ってしまうのです。ですから、ママ、パパが子どもに関わる時の気持ちの持ち方はとても重要な意味を持ちます。しかし、心の持ち方が大切なのは、誰でも理解できますが、いつも気持ちを意識しながら育児や子育てができるわけではありません。
時には、子どもの寝顔を見ながら心無い対応をしてしまったと後悔してしまう夜もあるでしょう。しかし、ほとんどは疲れが原因です。育児、子育ては24時間休みがありません。心身共に疲労が重なると、誰でも怒りやすくなります。
そこで、育児、子育てに奮闘しているママ、パパの心が少しでも楽になって頂くことを願って、「心のふれあい タッチ・コミュニケーション」という大人向けの絵本を作りました。どうぞ、この本を手にとって、ホッと一息入れてください。40億年の生命の歴史から、私たちが生きている現在まで、命の鎖が繋がっているイメージを味わってください。忙しい毎日を過ごされている全ての方々に、客観的に自分を見つめる心の休息時間となって頂ければ幸いです。
2010年11月25日更新
NPO法人 日本タッチ・コミュニケーション協会
宇治木敏子